【初心者向け漢詩紹介】ロマンティスト李白、故郷との別れ

こんにちは!トヨさんです。

本日は漢詩を紹介していきます。

第3弾は、李白(りはく)の「峨眉山月の歌(がびさんげつのうた)」について見ていきましょう!

1.李白

李白は唐中期、日本で言う飛鳥時代後期から奈良時代に生き、杜甫(とほ)と並んで中国詩史上最大の詩人と言われています。

しかし、この評価は(多くの文芸者の例にもれず、)彼ら2人の生存中からのものでは必ずしもありませんでした。

李白は、後の世代の詩人達に認められ、賞賛を受けることによって、今日の評価が確立されてきたのです。

2.詩の舞台

その賞賛の中でも、特に有名な詩が「峨眉山月の歌」。

この詩の舞台は、四川省南部に聳え立つ峨眉山です。

峨眉山は、古来より道教や仏教の聖地として知られ、現在では中国三大霊山、中国四台仏教名山に数えられています。

芥川龍之介の短編小説「杜子春」において、杜子春が試練を受けた山として覚えていらっしゃる方もいることでしょう。)

3.峨眉山月の歌

それでは早速、詩の中身を読んでいきましょう!

4.解説

この詩には、李白が24~26歳の頃、峨眉山のある故郷の蜀(現在の四川省)から諸国巡りの旅に出た時の心情が込められていると言われています。

秋の夜、故郷を離れて船で旅立つ李白その背景には峨眉山に懸る半月が見えます。

船で進む水面は月光できらきらと輝き、平羌江(現在の「青衣江」)の水の流れと共に流れていくのです。

平羌江を下り、清渓に至った李白は、その地を出発の地として蜀の生活に別れを告げるわけです。

清渓から三峡(の先に広がる中国の平原部)に向かう中で、峨眉山の月(一説には親しい人)を何度も思い返しながら、(未練もあるのでしょうか、)過去と決別して川を下っていく、そんな心情が歌い上げられています。

その後、李白は、故郷の蜀に再び帰ることはなかったと言われています。

いつか峨眉山へと旅に出てみたいものです。

それでは再见!

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